【違和感】



 木ノ葉学園の屋上からいつものように下の様子を見ていた。すると、一人の少年がどこかに向かっていくのが見える。


(アイツ、何かあったのか……?)


 生まれる疑問。その答えは分からない。だけど、気になってしまう。はっきりとした理由はないが何か予感がするのだ。あまりよくないような、所謂悪い予感というものだ。こういうものは意外と当ってしまうもの。意外と当るということから気になっているわけでもないが、なんだかこのまま放っておくこともできない。
 携帯電話を取り出して、簡単にメールを打つ。打ち終わると送信ボタンを押し、メールが返ってくるのを待つ。初期設定のままの着信音が鳴れば、携帯電話を開いてメールを確認する。


『さぁ、知らねぇぜ。一度帰るっつった後に教室に戻ってきたけど、すぐどっか行っちまった』


 キバからのメールを読み終える頃、シカマルからもメールが返ってくる。


『知らねぇけど、教室戻った時になんか複雑そうだったな。アイツがあんな表情なのってあんま見ねぇし、お前の言う通りかもしれねぇな』


 どうやらシカマルも同意見らしい。
 さっきのキバからのメールとシカマルのメール、そしてあのナルトの姿を思い出して照らし合わせると何かないとは思えない。最初に感じた違和感も気になる。そのことを踏まえてもう一度キバ達にメールを送る。送信が終わったことを確認すると、立ち上がり屋上の扉から出て階段を下りる。

 メールを受け取ったキバとシカマルは、それを読み終わると二人揃って教室を後にする。そして玄関まで行くと、さっきまでメールでやり取りをしていたサスケと会った。


「急に呼び出して悪かったな」

「別にいいって。どうせ暇だったし」


 放課後なのだから帰ってもいいのだが、お互いに帰っていなかったのは偶然といったところだろう。偶然に偶然が重なったといっても過言ではないのかもしれない。
 教室から玄関に来るまでに、いまいち現状が掴めていなかったキバはシカマルに現状を確認していた。そのことを聞いたサスケはそのまま本題に入る。